コラム
決めなくていい終活。春を迎える前に踏み出す第一歩コラム

そろそろ終活を考えないと……と思いながら、つい後回しにしてしまう。そんな気持ちを抱えている方は多いのではないでしょうか。しかし終活は、強い決心がなくても始められます。新しい年を迎え、春が近づくこの時期だからこそ、気軽に一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
問いが生まれたら、それが始まり
「終活」という言葉を聞くと、身構えてしまう方は少なくないでしょう。自分の最期を想像することに前向きになれないのは、自然なことです。気にはなっていても、つい考えるのを後回しにしてしまう。そうした声は、私たちのもとにもよく届きます。
しかし、最初から、何かを決めなければならないわけではありません。「何を考えればいいんだろう」と思い浮かべるだけでも、立派な第一歩です。
年が明け、少しずつ春の気配を感じるこの時期。日常の中で、ふと立ち止まってみる。これから先の時間をどう過ごしたいか、家族にどんな思いを残したいか。そうした問いが頭をよぎったとき、それが終活の入口になります。
焦る必要はありません。答えが出なくても構いません。ただ少しだけ、自分自身に目を向けてみる。その時間そのものが、これからの安心へとつながっていきます。
「まず一歩、踏み出してみる」。そのくらいの気持ちで向き合えば十分です。
決めなくていい。整えるだけ
「終活といっても、何をすればいいんだろう……」。そこで立ち止まってしまう方も多いでしょう。「何をするか」「どう決めるか」と考え始めると、途端に難しく感じてしまう。けれど最初から答えを出す必要はありません。
まずは、整理するだけでもいいと思います。ここでいう整理とは、物を片づけることではなく、自分の気持ちを見つめることです。どんなことに不安を感じているのか。自分が何を大切にしたいのか。終活についてわからないことは何なのか。そうした思いを、頭の中で並べてみる。
たとえば「お葬式のことがよくわからない」「費用がどれくらいかかるのか不安」「家族に負担をかけたくない」。漠然とした思いを書き出してみるだけでも、気持ちは少し落ち着いてきます。反対に「これは大丈夫」「ここはもう考えなくていい」と気づくこともあるでしょう。
考えがまとまらないままでも問題ありませんし、途中で止まってもかまいません。整理を重ねるうちに、自然と「次に何を知りたいか」「誰に相談したいか」が見えてくることもあります。
決断は、そのあとで大丈夫です。今はまだ、整えるだけでいい。その余白を残しておくことが、無理なく続けるための大切なポイントです。

迷ったままで相談していい
整理をしていると、一人では答えが見つからないこともあります。そんなとき、相談という選択肢が浮かぶかもしれません。
愛昇殿の事前相談には、具体的な内容が何も決まっていない段階で来られる方も、たくさんいらっしゃいます。大きな病気をしたことがきっかけで訪れる方、「漠然と不安で」と話される方。いずれも、何かを決めるためではなく、「今、自分が何を考えておくべきか」を確認しに来られています。
誰かに話すことで、考えが整理されることがあります。「まだ考えなくていいこと」と「今のうちに知っておくと安心なこと」の区別がつくこともあります。
迷いを抱えたまま、話を聞くだけでも構いません。相談は、次の一歩を見つけるための時間です。
また、愛昇殿の事前相談や見学会にお越しいただいた方には、オリジナルのエンディングノート「セルフポートフォリオ」をお渡ししています。このノートは、財産のこと、葬儀の希望、医療や介護の意向など、書いておくといいことが整理しやすい構成になっています。「何から書けばいいかわからない」という方にも、無理なく始めていただける1冊です。
終活を考えるのは、生きることを考えること
終活という言葉には、どうしても「終わり」を連想させる響きがあります。しかし実際には、これからの生き方を見つめ直す時間でもあります。自分がどんな人生を歩んできたのか、これからどんな日々を大切にしたいのか。そうしたことに目を向けるきっかけが、終活です。
整理をする、誰かに相談する、見学会に足を運ぶ。その一つひとつは小さな行動かもしれません。けれど、その積み重ねが「まだ先のこと」と感じていた不安を、少しずつ安心に変えていきます。
迷いがあっても、途中で立ち止まっても構いません。終活に正解はなく、進め方も人それぞれです。大切なのは、自分のペースで向き合うことです。
先のことを考えるからこそ、今をより大切にできる。終活を通じて、日々の暮らしが前向きに感じられるようになる方を、私たちは数多く見てきました。
春を迎える前のこの時期に、ほんの少しだけ立ち止まってみる。その時間が、これからの安心につながっていくはずです。